菜虫化蝶(なむしちょうとなる):3月15日~3月19日ごろ
菜虫は葉につく青虫のことを指し、一般的には蝶の幼虫のことを言います。
「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」とは冬をジッと耐え忍んださなぎが、華麗に蝶に生まれ変わるころという意味になります。
やわらかな春の陽を浴びて、ひらひらと羽根を輝かせながら飛び立つ蝶。
中でも菜の花畑を飛び交う紋白蝶はこの時季によく見られます。
蝶になってからの寿命は2週間ほど。
その間に交尾と産卵を行い、次世代へと命をつないでいきます。
実は、紋白蝶は春から秋にかけて4、5回の世代交代を行います。
なので、これから秋にかけていつでも見ることができます。
とはいえ、この時季に最も数が多いのも事実なので、やはり春の象徴と言ってもいいのではないでしょうか。
蝶は別名「夢虫」や「夢見鳥」とも呼ばれます。
それは古代中国の思想家「荘子」の説話、「胡蝶の夢」に由来しているそうです。
胡蝶の夢とは蝶になる夢を見たけれど、実は自分は人間ではなく蝶で、人間になる夢を見ていただけではないかという話です。
夢と現実の区別がはっきりとつかないことのたとえ。
そしてそこから転じてこの世の儚さや自分と物との区別がつかない物我一体の境地を表した話とされています。
なぜ、蝶になる夢だったのか。
それは蝶の持つ幻想的なイメージゆえだと思います。
花畑をひらひらと舞い立つ蝶の様子は、夢と現実が交じり合うような印象を与えます。
また、人びとに毛嫌いされる青虫を経て、美しい蝶へと変わっていくのも、夢のような印象を与えるのかもしれません。
今回の写真は菜の花畑で撮ろうと決めていました。
それは今回の七十二候に「菜」という字が入っていること、そして菜の花畑には紋白蝶がいるだろうと思っていたからでした。
そんな時に、旅先の愛媛県大洲市に菜の花畑の名所があることをそこで宿をやっている友人から聞きました。
これはきっといい写真が撮れるに違いない。
そう勇んで、現地に行くと、カメラの電池が全部切れていること、そして充電器を大洲市の前に泊まっていた宿に忘れてきたことに気づきました。さらに、紋白蝶の姿を見つけることができませんでした。
それでも、目の前に広がる夕日に照らされた菜の花畑は写真にしておきたいと思い、携帯電話で写真を撮ることにしました。
旅先でのハプニングはいい思い出とはよく言ったもので、撮っているうちにこういう機会もいいものだなと思うようになっていました。
蝶がいなくても蝶がいるように見えるとはまではいきませんが、想いが入っている写真であれば、テーマに完璧にそっていなくてもいい。
そう思えた今回の写真でした。
菜虫は葉につく青虫のことを指し、一般的には蝶の幼虫のことを言います。
「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」とは冬をジッと耐え忍んださなぎが、華麗に蝶に生まれ変わるころという意味になります。
やわらかな春の陽を浴びて、ひらひらと羽根を輝かせながら飛び立つ蝶。
中でも菜の花畑を飛び交う紋白蝶はこの時季によく見られます。
蝶になってからの寿命は2週間ほど。
その間に交尾と産卵を行い、次世代へと命をつないでいきます。
実は、紋白蝶は春から秋にかけて4、5回の世代交代を行います。
なので、これから秋にかけていつでも見ることができます。
とはいえ、この時季に最も数が多いのも事実なので、やはり春の象徴と言ってもいいのではないでしょうか。
蝶は別名「夢虫」や「夢見鳥」とも呼ばれます。
それは古代中国の思想家「荘子」の説話、「胡蝶の夢」に由来しているそうです。
胡蝶の夢とは蝶になる夢を見たけれど、実は自分は人間ではなく蝶で、人間になる夢を見ていただけではないかという話です。
夢と現実の区別がはっきりとつかないことのたとえ。
そしてそこから転じてこの世の儚さや自分と物との区別がつかない物我一体の境地を表した話とされています。
なぜ、蝶になる夢だったのか。
それは蝶の持つ幻想的なイメージゆえだと思います。
花畑をひらひらと舞い立つ蝶の様子は、夢と現実が交じり合うような印象を与えます。
また、人びとに毛嫌いされる青虫を経て、美しい蝶へと変わっていくのも、夢のような印象を与えるのかもしれません。
今回の写真は菜の花畑で撮ろうと決めていました。
それは今回の七十二候に「菜」という字が入っていること、そして菜の花畑には紋白蝶がいるだろうと思っていたからでした。
そんな時に、旅先の愛媛県大洲市に菜の花畑の名所があることをそこで宿をやっている友人から聞きました。
これはきっといい写真が撮れるに違いない。
そう勇んで、現地に行くと、カメラの電池が全部切れていること、そして充電器を大洲市の前に泊まっていた宿に忘れてきたことに気づきました。さらに、紋白蝶の姿を見つけることができませんでした。
それでも、目の前に広がる夕日に照らされた菜の花畑は写真にしておきたいと思い、携帯電話で写真を撮ることにしました。
旅先でのハプニングはいい思い出とはよく言ったもので、撮っているうちにこういう機会もいいものだなと思うようになっていました。
蝶がいなくても蝶がいるように見えるとはまではいきませんが、想いが入っている写真であれば、テーマに完璧にそっていなくてもいい。
そう思えた今回の写真でした。
旬の食材:いいだこ
|
いいだこは最大でも体長30cmほどの小さなたこです。
旬は12月~3月。特に産卵期前の2~3月には胴体に卵がびっしりとつまったメスが獲れます。漢字で「飯蛸」と書くのですが、それは卵が米粒状をしていることが由来となっています。魚で卵を持ったものは「子持ち」と言いますが、イイダコの場合は「いい持ち」と言います。 オスは「スボケ」と呼ばれ、メスの半値以下ですが、卵を持ったメスの方が市場に出回っています。甘辛く煮付けたものや鍋の具に用いられる他、天ぷらや刺身や酢味噌和えなどにして食べられています。 新鮮なものは表皮の茶色が濃く、叩いた時に色が変色するので、買う時に確かめてから買うようにしましょう。 |
■下ごしらえ■
いいだこは下ごしらえが少し手間ですが、やっているうちに慣れてくるので、是非挑戦してみてください。手順は大きくわけて4つです。内臓と墨袋、クチバシ、目の3つを取り、最後に塩で洗ってぬめりを取ります。 1:内臓を取る 頭のようなところは胴体です。内側に親指と同じ大きさの内臓と墨袋が入っているので、めくってみると内臓と身をつなぐスジがあります。そのスジを包丁で徐々に切っていき、最後に内臓の根元を切り取ります。もし墨袋を誤って切ってしまった場合は水洗いしましょう。 2:クチバシを取る 口のすぐ上に切れ目を入れ、包丁の先で押し出すようにして、クチバシを切り取ります。うまく抜けない時は骨抜きを使うと簡単です。 3:目玉を取る 包丁で目の間に切れ目を入れます。指で目玉をひっくり返すようにして、押し出すと取れます。 4:ぬめりを取る イイダコに塩をふって、手で揉むようにしてぬめりを取ります。塩は多めにしましょう。白く泡立っているのが汚れなので、水で洗い流します。また、内側に塩が残らないように丁寧に洗いましょう。 |
■作り方■
1:ぬめりを取ったいいだこを胴体(頭)と足を切り分けます。また足の先端は固いので、切り揃えておきます。 2:沸騰したお湯にいいだこを入れます。 すぐに取り出し、冷水に入れます。冷めたら、水気をきっておきます。 3:鍋にいいだこ以外の材料を入れます。強火にかけて沸騰したら、頭の部分だけを入れ、あくを取りながら中火で5分茹でます。その後、足を入れあくをとりながら2分ほど茹でたら完成です。味を染み込ませるために、そのまま2時間ほどおいておいた方がおいしいです。 ※もし丸ごと食べたい場合は、3の手順を変えて、丸ごと沸騰した煮汁に入れて、落とし蓋をして弱火で15分でも大丈夫です。 |