芹乃栄(せりすなわちさかう):1月5日~1月9日ごろ
この時季になると、競り合うようにすくすくと群れ生えてくるせり。
日本原産のセリ科の多年草で、湿地や休耕田、小川や沢などの水辺でよく見られます。
古くは奈良時代から自生しており、「万葉集」や「古事記」などにも登場してきます。
空気が冷え、水が最も冷たくなるこの時季のものが最も美味とされており、「寒芹」や「冬芹」と呼ばれます。
食べるのは若い茎の部分。七草粥に用いられるほか、サラダにするとシャキッとした食感と独特の爽やかな香りを楽しみことができます。
今回は祖父母の住んでいた静岡県伊豆市持越で写真を撮りました。
以前は金山で栄えた地域。
しかし、今では採掘もしておらず、人口も減少してしまいました。
祖父母も閉山を機に、山間部から少し下りた場所に居を移したそうです。
お正月はそんな祖父母の家に帰省していました。
自然豊かな場所なので、家の近所にせりがあるのでは思い、一時間ほどあたりをふらふらとしてみるも見つかりません。
一度家に帰り、祖母に訊ねてみると、もうすこし山を登った持越の方ならあるということで車で行ってみることにしました。
山道を登っているとキャンプ場があり、一角に車を止めさせてもらい、せりを探しに向かいます。
お正月休みなので、私の他には誰もいません。
聞こえるのは、さまざまな鳥の羽音や鳴き声、川の流れる音。
とりあえず水辺に行こうと思い、水の音の方に向かうと、左の外れにわさび園が見えます。
わさびは水のきれいなところでしか生育しません。
そこならきっとせりがあるはずと、栽培用に積み上げられた石垣を登ってみます。
まず目に付いたのはびっしりと生えているわさび。
水がきれいに流れるように人工的に作られた傾斜に沿うように、葉が少しずつ低くなっています。
石垣の一番上から段々と下りつつ、せりはないかと探してみると、ありました。
そこはちょうどわさびがなくなる傾斜の終わりで、水の流れが穏やかなところです。
わさびの大きい葉の中とは一回りも二回りも小さいせりの葉が申し訳なさそうにちょこんと一把分だけ生えています。
先ほど書いたように、せりは「競り合う」ように群生する植物です。
一度は、本当にせりなのかと疑問に思いましたが、葉をちぎってにおいをかいでみると、確かにせりの香りがします。
石垣の上から身を乗り出して、できる限り近寄って撮ったのが今回の写真です。
まだまだ成長しておらず、かろうじて水面から葉が出ています。
もしかしたら、これからまわりのせりが成長してきて、わさび園の中で群れ合うように生えてくるのかもしれません。
そうなった時が本当の「芹乃栄(せりすなわちさかう)」かなと思います。
この時季になると、競り合うようにすくすくと群れ生えてくるせり。
日本原産のセリ科の多年草で、湿地や休耕田、小川や沢などの水辺でよく見られます。
古くは奈良時代から自生しており、「万葉集」や「古事記」などにも登場してきます。
空気が冷え、水が最も冷たくなるこの時季のものが最も美味とされており、「寒芹」や「冬芹」と呼ばれます。
食べるのは若い茎の部分。七草粥に用いられるほか、サラダにするとシャキッとした食感と独特の爽やかな香りを楽しみことができます。
今回は祖父母の住んでいた静岡県伊豆市持越で写真を撮りました。
以前は金山で栄えた地域。
しかし、今では採掘もしておらず、人口も減少してしまいました。
祖父母も閉山を機に、山間部から少し下りた場所に居を移したそうです。
お正月はそんな祖父母の家に帰省していました。
自然豊かな場所なので、家の近所にせりがあるのでは思い、一時間ほどあたりをふらふらとしてみるも見つかりません。
一度家に帰り、祖母に訊ねてみると、もうすこし山を登った持越の方ならあるということで車で行ってみることにしました。
山道を登っているとキャンプ場があり、一角に車を止めさせてもらい、せりを探しに向かいます。
お正月休みなので、私の他には誰もいません。
聞こえるのは、さまざまな鳥の羽音や鳴き声、川の流れる音。
とりあえず水辺に行こうと思い、水の音の方に向かうと、左の外れにわさび園が見えます。
わさびは水のきれいなところでしか生育しません。
そこならきっとせりがあるはずと、栽培用に積み上げられた石垣を登ってみます。
まず目に付いたのはびっしりと生えているわさび。
水がきれいに流れるように人工的に作られた傾斜に沿うように、葉が少しずつ低くなっています。
石垣の一番上から段々と下りつつ、せりはないかと探してみると、ありました。
そこはちょうどわさびがなくなる傾斜の終わりで、水の流れが穏やかなところです。
わさびの大きい葉の中とは一回りも二回りも小さいせりの葉が申し訳なさそうにちょこんと一把分だけ生えています。
先ほど書いたように、せりは「競り合う」ように群生する植物です。
一度は、本当にせりなのかと疑問に思いましたが、葉をちぎってにおいをかいでみると、確かにせりの香りがします。
石垣の上から身を乗り出して、できる限り近寄って撮ったのが今回の写真です。
まだまだ成長しておらず、かろうじて水面から葉が出ています。
もしかしたら、これからまわりのせりが成長してきて、わさび園の中で群れ合うように生えてくるのかもしれません。
そうなった時が本当の「芹乃栄(せりすなわちさかう)」かなと思います。
旬の食材:春の七草 |
春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。
1月7日は江戸時代に制定された重要な祝日である五節句の一つにあたり、人日と言います。一年間の無病息災を願って、七草粥を食べる習慣があります。これには、年末年始の暴飲暴食で疲れた胃腸を癒す効果、緑黄色野菜の不足しがちなこの時季の栄養を補給する効果があります。 また1月7日は「爪切りの日」でもあり、新年初めて、爪を切る日とされています。 前日の晩に七草を包丁で叩いて、水に浸しておき、翌朝に粥に七草を入れます。その前に、「七草爪」と言いますが、浸した水に爪をつけ、柔らかくしてから切ると、一年間風邪をひかないとされています。 最近はスーパーで七草をセットにして売られているので、ぜひ「七草粥」と「七草爪」に挑戦してみてください。一年の始まりを気持ちよく迎えられると思います。 |