熊蟄穴(くまあなにこもる):12月12日~12月16日ごろ
12月、急に気候が冬になり、寒気が皮膚を突き刺すようになってきました。
ポッケから手を出すと、我先にと言わんばかりに寒さが感覚を奪っていきます。
日本海側では雪が降り始め、視界を真っ白に染め出します。
雪が音を吸い込み、街を静寂に包む日が来るのはそう遠くはありません。
そんな時季、熊は冬ごもりの支度をはじめます。
ブナやミズナラなどのどんぐり類をたらふくたいらげ、穴ぐらに入ります。
その様子を先人たちは、「熊蟄穴(くまあなにこもる)」と表現しました。
今回の写真を撮ったのは、秩父にある、とある大学の展示室。
見学者も少ないようで、普段はカギを閉めているとのこと。
受付でカギをもらい、一人階段を上ります。
足音だけが規則的に鳴り、歩を止めれば静寂が訪れます。
白く塗られた壁と床が清潔感ではなく、もの寂しさを感じさせるのは、きっと人の気配がないから。
曇天が静寂の世界をより深い静寂へと誘います。
階段を上りきり、扉を開けると中は真っ暗です。
外にはなかったので、暗がりの中、手探りでスイッチを探し、灯りをつけます。
オレンジ色の電球色の照明が薄暗くつきはじめ、部屋全体をぼんやりと照らします。
まず目に付くのは研究方法や調査地について印刷された大きなパネル。
部屋に入ってすぐの正面に4枚ほど展示してあり、そこを右に抜けるとメインの展示スペースがあります。
そこの真ん中に一番目立つように置かれているのが、今回の写真の熊です。
無機質なショーケースに入れられた、熊の剥製。
この世界から去ってしまった命。
しかし、確固たる生があったのだと感じさせる力をまだ感じます。
その正体が知りたくて、さっと手を伸ばしても、ショーケースにしか触れません。
においをかいでみても、するのはカーペットの湿ったにおいだけ。
目を凝らして見えるのは、人の手で作られたのではないかと思えるほど、精緻で整った毛。
目は焦点があっていなく、生が体から離れてしまったことをほのめかしています。
細かく見れば見るほど、この世のものではないと実感する熊の剥製。
しかし、今でも体の奥にエネルギーを秘めているのではないかと思わせる迫力と、
そして、かつてこの熊が持っていたであろう生への執念を感じ、
命がないものに、少しでも命を吹き込めたらと思い、今回の写真を撮りました。
12月、急に気候が冬になり、寒気が皮膚を突き刺すようになってきました。
ポッケから手を出すと、我先にと言わんばかりに寒さが感覚を奪っていきます。
日本海側では雪が降り始め、視界を真っ白に染め出します。
雪が音を吸い込み、街を静寂に包む日が来るのはそう遠くはありません。
そんな時季、熊は冬ごもりの支度をはじめます。
ブナやミズナラなどのどんぐり類をたらふくたいらげ、穴ぐらに入ります。
その様子を先人たちは、「熊蟄穴(くまあなにこもる)」と表現しました。
今回の写真を撮ったのは、秩父にある、とある大学の展示室。
見学者も少ないようで、普段はカギを閉めているとのこと。
受付でカギをもらい、一人階段を上ります。
足音だけが規則的に鳴り、歩を止めれば静寂が訪れます。
白く塗られた壁と床が清潔感ではなく、もの寂しさを感じさせるのは、きっと人の気配がないから。
曇天が静寂の世界をより深い静寂へと誘います。
階段を上りきり、扉を開けると中は真っ暗です。
外にはなかったので、暗がりの中、手探りでスイッチを探し、灯りをつけます。
オレンジ色の電球色の照明が薄暗くつきはじめ、部屋全体をぼんやりと照らします。
まず目に付くのは研究方法や調査地について印刷された大きなパネル。
部屋に入ってすぐの正面に4枚ほど展示してあり、そこを右に抜けるとメインの展示スペースがあります。
そこの真ん中に一番目立つように置かれているのが、今回の写真の熊です。
無機質なショーケースに入れられた、熊の剥製。
この世界から去ってしまった命。
しかし、確固たる生があったのだと感じさせる力をまだ感じます。
その正体が知りたくて、さっと手を伸ばしても、ショーケースにしか触れません。
においをかいでみても、するのはカーペットの湿ったにおいだけ。
目を凝らして見えるのは、人の手で作られたのではないかと思えるほど、精緻で整った毛。
目は焦点があっていなく、生が体から離れてしまったことをほのめかしています。
細かく見れば見るほど、この世のものではないと実感する熊の剥製。
しかし、今でも体の奥にエネルギーを秘めているのではないかと思わせる迫力と、
そして、かつてこの熊が持っていたであろう生への執念を感じ、
命がないものに、少しでも命を吹き込めたらと思い、今回の写真を撮りました。
旬の食材:くわい |
くわいの旬は11~2月です。
一般の家庭では食べることは少ないですが、茎から芽が出ていることから、めでたい縁起物として、おせち料理に用いられています。 アクが強いため、調理前に皮をむいて水にさらし、米のとぎ汁でゆでると、えぐみがなくなります。芽も食べられるので、皮をむく時に折れないように注意しましょう。 主な種類は青くわい、吹田くわい、白くわいの3種類です。 国内栽培のほとんどが青くわいです。吹田くわいは名前の通り、大阪府吹田市で栽培され、小ぶりです。白くわいは中国原産で、青くわいよりも大きな楕円形をしており、硬く、味も青くわいに劣るとされています。 選ぶ時は芽がピンとしっかりと伸びているもの。皮の色がきれいに青みがかっていて、光沢のあるものを選ぶといいです。今回使用したのは青くわいです。 |
1:
最初に芽の根元の皮にぐるりと浅く切れ目を入れます。 そして、すわりのいいようにくわいの底を平に切ります。 次に底から芽に向かって6面、もしくは8面にして切っていきます。 最後に芽をお好みの長さに切って、皮を一枚むきます。 ※芽は縁起のいいものとされているので、全て切り落とさずに残しておくようにしましょう。 2: 切ったものから水につけ、30分~1時間ほどつけておきます。 鍋に水とくわいとお米を入れ、水からゆでます。アクでお湯が濁るので、一度捨てて、もう一度ゆで直します。硬めに30分ほどゆでたらお湯を捨ててください。 |
3:
なべにだし汁と砂糖、みりん、料理酒を入れて煮立てます。10分ほど経ったら、醤油と塩を入れて、弱火で15~20分ほど煮ます。煮終わったら、煮汁につけたまま冷まして味を染み込ませます。 ※長時間置いておいた方が味が染み込むので、出来れば2、3時間は余裕をみておいてください。 |